第30章 ~拾柶半~GOOD-BYE2
「…確かにそれを見た人は誰もいねぇし確実とはいえねぇ。でもそれに近い事をサラは示唆したみたいなんだ」
「…確かにそれなら全ての事に説明がつく。どれ程かは判らぬがサラが回帰能力を持っている事は事実と捉えてもいいじゃろう」
織「そんな…あたしのせいでサラちゃんが…」
乱「そうじゃないの織姫」
織「え?」
織姫が顔を上げると全員の顔から微かな哀しみが見てとれた
織「どういう意味?ちゃんと言ってくれないと解んないよ…」
冬「アンタだけじゃねぇ…オレ達もだ。いやオレ達だけじゃねぇ尸魂界をも護ろうとした」
冬獅郎の言葉に織姫は目を見開く
冬「オレ達にはまだまだ力が足りない、今回の襲撃がいい見本だ。また今奴らが襲ってきたら恐らく…確実に倒されて尸魂界もこの世界も終りだ。アイツはそれも含め奴らの所に向かったんだろう…」
全ては皆を護る為に―――
長い間そこは沈黙に包まれた。それを破ったのは重い言葉だった
「…理由はどうあれ向こうに付いたのは事実。裏切ったという事に変わりはない」
「何…言ってんだアンタ」
一護はその言葉に驚きを隠せない
「アンタ本気で言ってんのかよ!?サラはオレ達の事を考えて行きたくもないトコへ行ったんだぞ!?」
「黙れ黒崎一護...」
「裏切るとかアイツがすると思ってんのか!?アンタらはいつもそうだ!!ウソの疑惑で追放に追いやってからも必要とあればサラを使う!!
アイツが今までにどれほどアンタらを護ってきたのか、まだ分かんねェのかよっ!?もう少しアイツの事考えても――」
「黙れ小童!!!心中誰よりも心配でならん!!だがそのような事はもういってられぬ!!」
「アンタ…」
恋「止せ」
同時に一護の肩をを恋次がグイッと引っ張った