第30章 ~拾柶半~GOOD-BYE2
「サラの霊圧を感じないって本当か!?」
話を聞いた一護が浦原商店へと現れる
恋「やっと来たな…ルキアはどうした?」
「井上の所だ。霊波障害で繋がるか分かんねぇけど浮竹さんに連絡を取るって…冬獅郎達は?」
「辺りを探して貰っている。虚や破面と接触した事も考慮に入れてな…」
「浦原さん、どういう事なんだ?」
一護は座るとずっと黙っている喜助に話しかける
「分かりません…昨日サラさんと話して……疲れてたせいかアタシ寝てしまって、起きたらサラさんは居なくて…」
喜助はいつもの冷静さのカケラも無く、その話し方は子供の様にたどたどしかった
恋「話が見えねぇな…」
「これが握らされてたんです…」
喜助はずっと握りしめていた指輪をちゃぶ台に置いた
「これ…サラがいつも付けてた…」
「霊圧制御装置なんです...壊れてもいないのに外すなんて…」
その時、恋次の伝令神機が鳴り、恋次は相手と会話をすると電源を切った
「日番谷隊長からだ。破面の反応を確認したそうだ」
「何だと!?」
「落ち着け。反応は一体、しかも今朝がたらしい――」
その言葉に全員の動きが止まった
「おい、それって…」
「まさか!!サラだぜ?それに戦いになったら嫌でも霊圧を上げる サラの霊圧が感じられない以上、殺されたって事はあり得ねぇ!!」
「とにかくココで話しても埒があかねぇ!!オレは心当りを捜す!!」
「ああ、オレは日番谷隊長達と合流する」
そう言うと皆、サラを捜しに店を出ていった
その場に残された喜助は、ちゃぶ台から指輪を拾うと硬く握りしめた
「最初から居なくなるつもりであんなこと……」
喜助は昨日の事を思い出す
サラさんに変わった所は無かった
卍解を取り戻してから笑顔が耐えなくて…
それが演技だったのか?
アタシはそれに気付かなかったのか?
アタシは…サラを無理に笑顔にさせてたのか――
もしそうなら謝ります
アタシの想いがアナタを困らせるならこの気持ちに蓋をします
だから早く帰ってきてアタシを安心させて下さい
そんな喜助の手のひらからは指輪が食い込んで血が滲んでいた