第3章 ~弐~FRIEND
冬獅郎と出会いしばらく経った頃、サラは任務報告の為に四番隊隊主室を訪れていた
「そうですか。毎日楽しそうで何よりです。…ところでサラ、貴女に大事なお話があるのです」
「…大事な、ですか?」
「えぇ、他隊への移動を…と思いまして。四番隊で教える事は全て叩き込みました。サラを手放すのは惜しいですが、社会勉強してらっしゃい。貴女は副官になるのは嫌みたいですしね?」
私はずっと烈さんに上官になるよう勧められて来たが、どうも上に立つのは好きではなく断り続けてきた
「それは...左遷という事でしょうか」
「言ったでしょう?"社会勉強"だと。サラはもっと他の世界も知るべきです。合わなかったらいつでも帰って来て構いませんよ?」
「烈さん…解りました。では何処の隊に?」
「貴女が入隊した時から、断り続けても貴女を欲しいという隊が後を絶ちませんが…浮竹のいる十三番隊へ行かせる事にしました。
彼なら下心なく面倒を見てくれるでしょうしね?ハルカ二十席、来月より十三番隊第十席への移動を命じます」
烈さんの言っている意味はよく分からなかったが、私は二つ返事で快諾した
――――――
「移動!?じゃ今週でここ辞めるのか?」
「急なんだけどね~こうして放課後シロちゃんとも話せなくなっちゃう」
「…って冬獅郎だ!!子供扱いするなっ!」
「いいじゃない…十三番隊かぁ、斬術が加わるしまた稽古し直さないと」
「前から思ったんだけどサラって強いのか?雛森から聞いて鬼道が上手いのは知ってるけど…」
「どうだろ?…試してみる?」
思いがけない言葉に、冬獅郎は口端を上げた
「いいのか?オレこれでも全教科首席だぜ?」
「じゃぁ私も気が抜けないね、演習場行こっか」