第3章 ~弐~FRIEND
演習場―――
「じゃ、いい?シロちゃんは竹刀を落としたら負け、私は膝を付いたら負けって事で」
「…サラの竹刀は?」
「私はこれで充分❤」
そう言ってサラは手をヒラヒラとさせる
「素手…上等だ。すぐに片膝付かせてやる!!」
冬獅郎は次々に早業を繰り出し追い詰めようとする。だがサラはそれをいとも容易く交わしていく
「へぇ…なかなかやるね♪でも…」
次の瞬間サラは、瞬時に後ろに回り込み、冬獅郎の竹刀を落としてしまった
「はい、終~了~!!」
「くそっ!!まだ五分も経ってねぇのに…」
「シロちゃんかなり凄いよ?席官位の実力あるし…」
「じゃぁ何でこんな簡単にやられるんだよ…やっぱ席官クラスって凄いんだな」
「まぁ私もギリ席官だから負ける訳いかないし…ごめんね手痛かった?」
サラは赤くなっている冬獅郎の手を取り擦る
「……別に///…いゃやっぱすげぇ痛ぇ…」
「えっ、やり過ぎちゃったかな?そんな強く叩いたつもりなかったんだけど…どうしたらいい?」
「…なら…オレに修行をつけて欲しい。早く一人前になりたいんだ…」
真剣な眼差しのオレにサラは困った様に笑う
こんな方法でしかサラに物を頼めない
というか、もう会えないかと思うとこんな頼み方でも良かった
子供扱いするなって言いながら…
オレはまだガキじゃねぇか
「そんなに真剣に言われたら断れないじゃない…」
「本当か!?…これからヨロシク頼む!!」
「こちらこそ。じゃぁ今日は帰るね?またね……冬獅郎」
サラはオレの名前を耳元で呟き立ち去った
「...シロちゃんじゃねぇのかよ…///」
分かってやってるのか天然なのか…なんて考えながらオレは段々赤くなる耳を押さえながら呟いた
やべぇ……持ってかれた…