第29章 ~拾柶~GOOD-BYE
部屋に入って暫く話している間ずっとサラは嬉しそうだった
「なんでそんなニコニコしてんだ?」
「一護って本当に優しいなって思って」
「さっきの事か?あれくらい普通だろ」
「普通にやるから凄いのよ。一護の家族を見てると気持ちが温かくなるの」
サラがまた嬉しそうに微笑んだのを見て一護も心が温かくなる
「そうか…」
「そういえば遅かったけどどうしたの?本当に秘密の花園?」
「んな訳ねぇだろιコンが出歩いてるの見つけて追っかけてたんだ」
「コンちゃん…」
「人形のまま出歩くなって言ってんのによ。逃げられちまったけど」
「コンちゃんも遊びたいのよ。心配しなくてもそのうち帰って来るわ」
「心配なんてしてねぇよ。そういや急にどうしたんだ?何かあったのか?」
「何かなきゃ来ちゃいけないの?」
「ぇ?いや…///」
その言葉に心臓がドキッとなる
「一護に会いに来たのよ。後、遊子と夏梨と一心さんにも」
「(小悪魔…)全員じゃねぇか…」
「そうね♪ケガの具合はどう?」
「もう平気だ。すぐにでも修行を再開出来る」
「よかった…」
「オレが飛び出すのを止めなかったのはこうなるって解ってたんだろ?」
「……ごめ――」
「謝んなよ?お陰で判ったんだ。オレはまだアイツに敵わない…片腕のアイツにだ。ならもっと修行して強くなんねーと」
サラはその強い瞳に吸い寄せられる様にベッドに腰掛ける一護の隣に腰を下ろす
「?」
「……早く強くなって…誰よりも強く…」
サラは痛いくらいに一護の手を握る
「……サラ?」
その言葉にゆっくりと力を緩める
「ごめんね手治ったばっかりなのに…」
「いや…それはいいけど…」
手を放そうとすると逆に握られ思わず顔を上げた