第29章 ~拾柶~GOOD-BYE
“洗濯物はタンスの右上がタオルだよ
洗ったタオルは下側から入れてね
生ゴミは火曜と木曜の朝8時までにだしおいてね
でないと持ってって貰えないから
食べ残したごはんはラップに包んで冷凍庫に入れとくといいよ”
「…よしっと。こんなとこかなあ」
自分のアパートへ戻ってきた織姫は机に向かいノートにメモを書いていた
「こうでもしないと乱菊さんも冬獅郎くんもぐちゃぐちゃにしちゃうからなあ」
独り言を言いながら自分の手首に嵌められたブレスレットに視線を移す
“これを身につけている間 お前の周囲には特殊な霊膜が張られ お前の存在は我々破面にしか認識できなくなる
それと同時にお前には物質を透過する能力を手に入れる 身につけて放すな”
“12時間の猶予をやる その間に一人にのみ別れを告げることを許可する
但し相手に気づかれればその時点で命令違反と見做す 刻限は0時 それまでに全て片付けて指示した場所へ来い”
立ち上がった織姫は部屋を出て学校、商店街と想い出の場所を歩きそして一護の家の前に来た
織姫は別れを告げる相手に一護を選んだ
密かに想っていた相手
黒崎君がサラちゃんを好きなのは知ってる
サラちゃんは凄く綺麗で優しくて強くて何より大好きな大切なお友達
サラちゃんなら喜んで祝福出来る…
サラちゃんが誰の事を好きになるか分かんないけどこれくらい...いいよね?
織姫はブレスレットを見ると黒崎家に入ろうと手を伸ばした
すると突然、腕を掴まれる
「!?」
今の自分は見えない筈…織姫がその主に目を向けるとそれはウルキオラだった