第3章 ~弐~FRIEND
次の日、俺は死神になることを決意し、その事をばあちゃんに話す
「そうかい…そりゃあ良かった…」
「ばあちゃん...?」
「お前達はずっと我慢しとったろう…ばあちゃんを一人にすると寂しいと思って。
お前達がばあちゃんを思って何かを我慢する…それがばあちゃんには一番辛い…」
その言葉にオレはばあちゃんに深く長く頭を下げた
そしてオレは
死神になることを決めた
少年が語る過去に、サラは真剣に耳を傾けていた
「……そう、そんな事があったの。すごくいいお婆さんね?
お婆さんだけじゃない、その幼馴染みの子も死神の女の人も貴方にとって死神になるきっかけをくれた大切な人のね」
「でもココに入っても周りはオレを恐れているみたいだし…変わったのはオレが死神になろうとした事だけだ」
「ん~なんか皆が皆がって…間違ってない?」
「?」
「アナタは自分から歩み寄る努力をしてないからいつまでも一人なのよ。お婆さんや幼馴染みがいるかもしれないけどいつまでも二人だけって訳にはいかないよね」
「それは…でもどうやって…」
「自分から話かけるの。無視されてもそれでも話かける...何なら聞いてご覧なさい?怖いですか、変ですかって…まずは自分から動かないと」
そういう彼女は穏やかに微笑んだ
あぁ...解った
何故この人がこんなにも人に好かれるのか
顔だけじゃない、心が綺麗なんだ
誰が会ったばかりの他人にここまでしてくれるのだろうか…