第28章 ~拾参半~RECOVERY2
紅姫を構えた喜助はヤミーの攻撃を容易く相殺させた
「さっきの間に技の霊子構成は解析しました。発射に至るまでの筋肉の動きのクセもね
その二つさえ解れば躱すこともタイミングを合わせて相殺させることもできる。まぁそれなりに難しいっスけど」
ヤミーに視線を合わすと喜助はふっと笑った
「さてシメといきましょうか」
その頃、ルキアより一足遅れて織姫は必死で穿界門を二人の護衛と現世に向け走り抜けていると後ろから霊圧を感じる
織姫は足を止めハッと背後を振り返ると、空間からウルキオラが現れた
「存外 尸魂界も無能だな 最も危険が高いのは移動の時だということを知らんらしい」
嫌な汗が頬を伝う
脳裏に浮かぶのはウルキオラとヤミーが襲撃してきた時の事
(あの時の――)
「護衛が二人というのは拍子抜けだが煩わしい拘流の動きが固定されていたのは都合が良かった。話をするのに時間を急ぐのは性に合わんからな」
ゆっくりとウルキオラが歩み寄ってくる
「な…何者だ貴様っ!!破面か!?」
織姫を守るように護衛の死神が前へ出た
「まって!話があるんでしょ!?」
瞬間、死神達のの半身が吹き飛んだ
「――!!!」
「そうだ女お前に話がある」
「双天帰盾!!」
織姫は焦る気持ちを抑えて能力で治癒していく
「そこまで損傷していても回復できるのか…大した能力だ」
そう呟くと織姫にウルキオラは近づいていく
「俺と来い女」
「な!?」
「言葉は"はい"だ。それ以外を喋れば殺す お前をじゃないお前の仲間をだ」
「!!」
「理解しろ女、これは交渉じゃない命令だ。藍染様はお前のその能力をお望みだ。俺にはお前を無傷で連れ帰る使命がある…もう一度だけ言う俺と来い女」