第28章 ~拾参半~RECOVERY2
「おい!何考えてんだよ真子!?」
そのまま背を向け歩き出した真子に拳西が怒鳴るも、何も答えることは無かった
私はそれを一瞥し、自分も向かおうと踵を返すと突然大きな声が響く
「サラ!!」
「………?」
「ちょう話あんねん。顔貸せ」
「今…?」
「今や」
「……はい…」
私だけでなく皆、真子の意図が読めず疑問を抱くが真子の真剣な表情に何も言わなかった
そして真子は皆から離れた場所に行くと私に向き直る
「サラ…お前どういうつもりで一護を行かせたんや?」
「…現れた破面は霊圧からして十刃。その中に一護が倒したい人がいる」
「やからって十刃相手に今の一護が適うと思うか?」
「適わないわ…だからこそ戦う必要があるの。真子もそう思ったから行かせたのよね?」
「解ってんならええ…ただの優しさでアイツら止めたんやったら許せんけどな。なら一つええか?」
「何?」
「一護が虚化出来るんは11秒。それが解けて戦いに苦戦しても手ェ出すなや」
「…………」
「どうせ一護んトコ行くやろ?ならサラは傍観に徹せ。危なくなったら助けりゃええ…そんな考えで行かせたんちゃうやろ」
「真子…」
「それが出来んのやったらお前を行かす事は出来ん」
私は少し黙っていたが静かに口を開く
「解った…」
「ホンマやな?目の前で死ぬかもしれんくても――」
「死なないわ!!」
私は真子の言葉を遮ると真剣な顔で見る
「一護は絶対に死なない…約束はちゃんと守るから…」
私は呟くと地下から出ていった
「…こうでも言わんと絶対に助けるやろ…これは必要なんや。適わんという事を知る為にはな…」