第28章 ~拾参半~RECOVERY2
「久しぶりやねぇ。今、一護からエロ本貸せってしつこくて困ってたんよ」
「一護ったら大胆ね」
「だから借りてねーよ!?信じるな!」
「休憩終いや!さっさと修行再開せんかい!」
「はァ!?何だよ平子...休憩入ったばっかりだろ!」
「ええからさっさといかんかい!終いや言うとるやろ!」
「話しとる途中やのに…最近機嫌悪いんよ真子」
私は皆と一通り話すと真子の元へと駆け寄り隣に腰を下ろす
「久しぶり…」
「せやなぁ…あれから2週間くらいか?」
「真子…あのね――」
「言わんでえぇ。その顔見たったら判る 悩み解決したんやろ?」
私はコクリと頷いた
「せやったら構へん。オレは最初から聴く気なんてないねんから」
私はその言葉に嬉しそうに微笑んだ
「ありがとう…」
それを横目で見た真子は恥ずかしそうに目線を逸らした
「そやかてナンボでもココ来んの遅ないか?」
「私も修行してたの。皆だって頑張ってるから」
「せやったらココでしたらええやんか…」
真子がポツリと呟いた言葉を私は逃さなかった
「もしかして…さっき不機嫌そうだったのはそれ?」
「…そんな訳あるかい…///」
心なしか顔が紅い真子に私はクスクスと笑った
「そうね私の勘違い♪」
「思ってへんやろ…あーあ、ならもぅ慰められへんなぁ?」
この間の出来事を思い出す発言に私は頬を赤くする
「何赤うなってんねん。思い出したんか?」
「知らないっ///」
「(可愛ぇ…ホンマ虐めがいがあるわ)さっきのお返しや」
暫く他愛のない話をしていた私は一護の修行を見ながらおもむろに呟く
「…成果は一ヶ月で十秒ちょっと…」
「…あぁ」
妥当と言えば妥当、期待はずれと言えば期待はずれなのか、何とも微妙な顔で真子は返事を返した
「今までの習得速度を聞く限り、もうちょっといけると思ってたけど」
「やっぱりこればっかりは時間かけんとどうもならんみたいやな」
「…焦ってる?」
崩玉の完全覚醒に残された猶予は三月を切っていた
「いや…でも少し…急がんとあかんな」
それは必然か偶然か…
皮肉にも事態は刻一刻と悪い方向へ転がっていく