第28章 ~拾参半~RECOVERY2
尸魂界、十三番隊隊舎裏
浮竹が高台で茶を啜りながらあるものを見物していた
「いたいた 何してんスかこんなとこで?」
「あぁ檜佐木くんか。いやなにちょっと休憩がてら見物をね。冬の決戦に向けて修行中だ」
やってきた修兵は浮竹が指す方へ視線をやると、そこには対峙しているルキアと織姫の姿があった
「朽木と井上織姫じゃないスか。なんか修行にしちゃ楽しそうにやってますね」
「あ、やっぱりそう見えるかい?……血相を変えて“隊舎裏の修行場を開けてくれ”と言ってきた時は何事かと思ったが…良い友達が出来て良かった」
「…それが人間でもですか」
「それを言うなよ」
「すいません…少し…羨ましいのかもしれません」
「羨ましい?」
「現世の人物と死神が一緒に居れる…そんな状況にです」
「…それはハルカの事かい?」
「オレも先遣隊に加わりたかったんですけどね…でも動機が不純だからやめました」
修兵はフッと自虐的に笑った
「…歩む時は違っても友達や家族…絆ってのは良いもんさ。それにホラ何だ、ハルカは樋佐木くんが思っている以上に楽しくやってるかもしれないぞ?」
「そうだといいっスね…笑ってくれてたらそれで…」
修兵の慈愛に満ちた眼差しを浮かべる
「まぁ俺もハルカが心配だよ。彼女は人に弱さを見せないからなぁ…」
「…浮竹隊長はサラの事解ってるんですね」
「妬くなよ…」
修兵のぶっきらぼうな発言に浮竹はハハッと笑った