第27章 ~拾参~RECOVERY
「……何笑ってるんスか」
「え?」
月華を見つめていた私に低い声が届き、私は顔を上げる
「こんな無茶して…」
私が月華で刺した傷はキレイに治っていたが、喜助さんとの闘いの傷はそのままだった
「ぁ…」
「その様子じゃ卍解戻ったみたいですけど、もしあの方法が効かなかったら死んでましたよ!?」
「ご…ごめんなさいι」
「…アタシが殺しちゃうかと思ったんスから…」
少し俯く喜助さんに私は自分のした事を反省する
「…嫌な役させちゃいましたよね…」
「そうッスね…かなり心が痛みました」
「でもお陰で月華が応えてくれました。ありがとう喜助さん♪」
「そんな顔して…」
サラは蟠りが無くなって今まで以上の笑顔をみせる
「本来ならココで抱きつくんスけどさすがに傷に障りますからね。早くテッサイさんに治してもらいましょ!」
「自分で治せるけど…」
「ダメです!!さっき血吐いたの忘れたんスか?それに自分で立てます?」
「……立てません」
「ほら、暫くは大人しくしてもらいますからね」
喜助はそう言うとサラを姫抱きに抱える
「細いッスねぇ?身長のわりに軽過ぎですよ。今日からちゃんと食べましょうね?最近食べて無かったんスから」
「…バレてたんですね」
「そりゃサラさんの事ですから♪」
「ありがと喜助さん…」
私は喜助さんの首に腕を回す
「…何がです?」
「わかんない…」
「...ヘンなサラさん」
そんな喜助さんとの会話と揺れが心地よく私は瞼が重くなっていく
喜助さん…
いつも見ていてくれてありがとう
これからも心配かけるかもしれませんけど見ててくれますか
一緒にいてくれますか
貴方は月華と同じくらい大切な人です
大切な―――
私は久しぶりに深い眠りにつく事が出来た