第27章 ~拾参~RECOVERY
「…我が侭なんかじゃない…私はそれだけ貴方を苦しめた…」
《もう泣かないで…》
月華は優しく私の髪を撫でる
「月華はいつも優しい…」
《優しかったら泣かせたりしないよ》
「ううん…だって始解させてくれたもの…」
《…優しいかどうか分からないけど僕は...どうしても君には甘いみたいだ》
月華はニコッと微笑んだ
「もう二度と約束は破らない…」
サラは月華の頬に手を添えるとそっと口付けた
唇に自分からという突然の行動に月華は頬を染めた
《サラ…///》
「ずっと一緒にいるわ…」
《…ありがとう》
その瞬間、月華の意識から現実世界へと戻り、目を開けると視界に喜助さんが飛び込んだ
「喜助…さん…?」
「………」
喜助さんは眉を潜めたまま私の顔を見つめている
私はガバッと起き上がると辺りを見渡す
「探し物ッスよ」
喜助さんの手から月華を渡されて私は安心した様に微笑んだ