第27章 ~拾参~RECOVERY
「なぁ…何があったん?」
真子が耳元で囁く声に私の体に少し力が入る
「何や耳弱いんか…」
真子は耳をねっとりと舐めて甘噛みをする
「やっ…なに…?」
舌の柔らかさと別に感じる感覚にみるみる紅潮していく
「ん?あぁ…これや」
真子はペロッと出すと舌に刺さる金属が光る
「ピアス…?」
「せや。オシャレやろ」
真子はそう言うと首筋を舐めていく
「やぁッ…真子やめ…///」
「ピアスが当たってええやろ?」
真子は顔を首筋に埋めたままシャツのボタンを外すと直に胸に触れる
「…ッあッ…」
「へぇ…めっちゃキレイで柔かいな?手に吸い付いてくんで」
荒々しく回り込むように揉みしだく手の動きを制しようとする
「…ダメ…やぁ…///」
「嫌やないやろ」
尖端をギュウと摘ままれる
「あッ!!」
思わず洩れた大きな声に真子が囁く
「声…ええの?」
「!」
隣の化学室では授業が行われ教師の声が小さく聴こえる
「ね、真子やめよ?どうしてこんな…」
「こんな?さっき言うたやろ。何でそんな顔してるって…」
「それは…」
「それだけや無いで」
真子は少し手を緩めると腰に両手を回す。私は動かせるようになった手で真子を剥がそうとする
「何でそんな辛そうな顔してんねん」
その言葉にピクッと動きを止める
「最近ずっとやろ。隠しとってもオレには分かんで。何をそんなに悩んどんねん」
「………」
「まぁ言いたくないならええけど…」
真子は小さくため息を吐くと制服のネクタイをほどく。そして私の手を掴むと後ろ手に縛った
「…真子!?」
「今だけでも忘れろやサラ…」
その言葉にサラは俯き抵抗をやめる。後ろ姿で顔こそ見えないが今にも崩れそうな姿に平子は優しく抱きしめた
「ええ子や…」
何故だろう…
あがらう事だって可能な筈なのに声を抑えながら受け入れてしまう己が信じられない
自分でも気付かないくらいまで参ってたのか…
私は自虐的な笑みを漏らした