第27章 ~拾参~RECOVERY
急いで階段を駆け降りる
「!?」
ドンッ!!
階段を降りて廊下に出ようとした刹那、出て来た男と衝突して思い切り尻餅をついた
「すまん…平気か!?」
「…大…丈夫…ごめんなさい」
顔を上げるとその男は目を丸くする
「なんやサラかいな?」
「真子…何で学校に…」
「目的も達成した事やし見納めにな。もう授業始まんで」
平子はサラを立たせるとその姿に目を見張る
瞳は濡れていて、廊下の窓から差し込む光を受けて煌めいている
上気した頬は桜色に染まり、瞳を細めて唇を少し開けた表情は淫らな感情を抱かせるには充分で、はだけた胸元がくっきりとその存在感を示していた
「ちょっ...コッチ来い!!」
「え…」
腕を牽かれ黒い幕が張られている薄暗い教室、科学準備室に連れ込まれる
「…真子?」
真子は腕を掴んだまま低い声で話す
「なぁ…何でそんな顔しよんねん」
「…そんな…って?」
「分からんか?自分めっちゃエロイ顔してんで…」
その言葉に目を見開いた私は真子の手を振りほどくと逃げようと駆け出す
だが後ろから抱きしめられ身動きが取れなくなる
「逃げんでもええやろ?それにもぅアカンで」
扉を隔てた教室には続々と生徒が入ってきていていた