第27章 ~拾参~RECOVERY
破面が現れてから暫く鎮圧し、虚は現れるものの平穏な日々が続いていた
一護達は各々修行の為にほとんど学校を休んでいたが、私は喜助さんに言われるままに学校に通っていた
だがあまり授業には出ず、今日も出席を取った後ずっと屋上に居た
そろそろ味方にも敵にも隠せない…そうなったらどこまでも足手まといだ…
一人になると必ず力が戻らない事を考えてしまい瞳が曇る
空色が滲む
フェンスの影が私の頭上に振り注ぎ、まるで檻の中に居る様で…自身の心の鎖に囚われていた
「…も…解んない…」
扉の開く些細な音にも気付かずぼんやりと空を眺めていた
「…サラ?」
その声に振り向くと冬獅郎が立っていた
「!!……泣いてるのか?」
「ぇ…私泣いて…?」
私は頬に手を添えると濡れた手を見つめた
その様子に冬獅郎は私の横へと腰掛けた
「…どうした?」
「わからない…」
「わからないって――」
長い睫の間から覗く漆黒の瞳に表された哀しみを汲み取り、それが真実だと悟る
「よく分かんねぇけど…大丈夫か?」
「ん…ありがとう」
微かに微笑む姿は今にも崩れそうな危うさを秘めていて儚さと共に在る美しさに目を奪われる
「…冬獅郎は?何故ココに?」
「あぁ、報告書送ろうと思ってな」
「そう…偉いのね」
「まぁ隊長だし…てか偉いってガキ扱いすんなよ」
「ごめんごめん…」
私が冬獅郎の頭を撫でると、見る見る内に紅潮していく冬獅郎の顔が目に入る
「……クスッ」
「あ゛あ゛?」
「…あは…ごめん…可愛い…」
「ッ…!///~ガキ扱いすんなって…」
隣で笑うサラに冬獅郎は胸が締め付けられる
前から思っていたが自分は男としてみられていない…そう思うと怒りが込み上げてきた