第27章 ~拾参~RECOVERY
「おいっ!!ケガねぇか!?」
「大丈夫、ちょっと危なかったけど…」
立ち上がった私が少しよろけたのを支えたのは戻ってきた喜助さんだった
「喜助さん…」
「すみません遅くなりました」
そこへ冬獅郎達が現れた
「サラ、阿散井 無事か?」
「日番谷隊長。えぇ何とか」
「おやおや、そちらも大変だったみたいですねぇ」
喜助が皆を見渡すと、全員そこら中怪我を負っていた
角「アイツらは?」
「死んだようですね。藍染に踊らされて」
冬「踊らされた?」
「彼等が持ってきた崩玉と言うのはアレですか?」
転がっている崩玉に全員が視線を向けた途端、ヒビが入り砕け散った
「藍染に偽者を掴まされたのでしょう。崩玉はそう簡単には壊れませんよ。作った本人が言うんだから間違いありません
彼等は藍染に嵌められたんでしょう恐らくは鏡花水月で。でなければ藍染の元からそう簡単に崩玉を持ち出せるわけが無い…」
喜助は思い返していた。先程出会ったウルキオラの事を――
「追って来たんですか?彼等を」
「貴様等の相手をする気は無い…」
ウルキオラは何もせず虚圏へと帰っていった
「…もしかすると何か別の目的があって彼等を使って騒ぎを起こし、それを隠れ蓑にしようとしたのではないかと。
これだけ経って追ってもこないってのは有りえませんからねぇ…
彼らは放っておいてもコチラで葬られる。粛清するにしてもこういう茶番を仕組んだ方が楽しい…彼はそういう男だと思います」
― 虚圏 ―
「それで?」
虚圏へ戻ったウルキオラは藍染に報告する
「あの時の名残はまだありました。当時はかなりの部分が推測に過ぎませんでしたが、今回の調査で能力の輪郭を捕捉することができました」
「どう思う?」
「藍染様のお役に立つ力だと思います」
「そうか…今はどこに?」
「少なくとも現世には居ない様子です」
「ご苦労だったね」
織姫の能力…藍染は薄い笑みを口元に称えていた