第27章 ~拾参~RECOVERY
― 虚圏 ―
パトラスに切裂かれ死んでいるウルキオラに藍染が近づく
「砕けろ...鏡花水月」
藍染の声と共にウルキオラが斬魄刀へ変化する。斬魄刀を鞘に収めた藍染は玉座へと腰を下ろした
「凝ったことしはりますなぁ?藍染隊長」
藍染が入ってきた入り口から声が聞こえてきた
「ギンか…」
「なんぼあないな奴等が集まって悪さ企んでた言うても、ウルキオラ殺した思い込ましてわざと崩玉持って行かすやなんて…
こないな回りくどいやり方せぇへんでアイツ等すぐに殺しとかりはったらよかったのに…何考えてはりますのん?」
「ウルキオラには他にやってもらう事があってね」
「せやったら一言いうてくれはったらボクが処理しますのに」
「…そんな事したらつまらないだろ」
首を傾げるギンを横目に藍染はフッと不敵な笑みを浮かべた
その頃、ウルキオラとヤミーが襲撃してきた場所にもう一つ、新たなる破面が姿を現していた
それはパトラスに殺されたはずのウルキオラだった――
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パトラスの攻撃によって恋次は何度も吹き飛ばされ傷だらけになっていく
「崩玉の扱いを知る者は何時になれば戻るんだね?そろそろ飽きてきたのだが」
瓦礫がガラガラと崩れ落ち、中から恋次が姿を現した
「テメェが死んだ頃には戻るだろうよ このキザ野郎」
「居候!大丈夫なのか?」
姿こそ見えないがジン太達の声に恋次は反応する
「…なんとかな」
「良かろう。だが幾ら足掻いても無駄だとは思うが?」
その間にも恋次はパトラスに痛めつけられていく
「ジン太…雨…喜助さん迎えにいってくれる?」
「で…でもよ!」
「早く行きなさい!!」
戸惑うジン太にサラは声を強める
「で、でも…」
不安そうに見つめてくるジン太にサラはさっきの態度と違いニッコリと微笑んだ
「お願いね?」
その言葉に雨はサラの意図に気が付く。呼んでこいとは名目で本心は自分達をここから遠ざける為に…
「わかりました…ジン太くん行こう」
「くっそぉ…怪我すんじゃねーぞサラ!!」
二人はその場を駆け出していった