第26章 ~拾弐半~LIBERATION2
ハッチの目の前に張られた結界の中では椿鬼の修復が行なわれていた
「ナルホド…欠片も残らなくらいバラバラにされて治せなくなってしまった。そしてそれを理由に仲間外れにされたとこういうワケデスね?」
「えっと…違うけどもう5回も説明したからそれでいいです…」
「しかし妙デスね。霊圧を見る限りアナタはワタシとても近い能力を持っているハズ…だとしたら砕けた欠片などなくても元の姿に復元できるはずデス」
ポンッという音と共に結界内に椿鬼が姿を現した
「やったあ!!よかったね椿鬼くん よかったね!!ありがとうハッチさん!!」
「ワタシは今椿鬼クンを治しマシタ。これで確かにアナタは戦線に復帰できるデショウ。デスがやっぱりワタシもアナタに戦うことは勧めまセン…
ワタシと能力が似ているのならやっぱりアナタは戦いに向かない。相手が破面ともなれば尚更デス。それでもアナタは戦いたいんデスか?」
織姫は俯き黙ってしまう。その様子にサラが口を開く
「……これは只の独り言なんだけど…戦いに於いて足手纏いなのは力の無い者ではなく覚悟の無い者…
今までの戦いで足手纏いになった者など一人として居ないし大切なのは“どうあるべきか”ではなく“どうありたいか”…」
サラの呟いた言葉に織姫は泣きそうになった
「…はい…戦いたいです!」
「……それなら良いデス。アナタはまだ自分の能力を知り尽くしてはいナイ。戦う術は必ずありマス。よく心に留めておいてくだサイ」
「はい!」
「井上!」
小高い岩の上から斬魄刀を持った一護が姿を現した
「治してもらったんだな。サラもよく鉢玄さんが直せるって気付いたな?」
「あ…それは…」
ハッチは慌てるがその事で余計に織姫は察してしまう
「もしかして…サラちゃんが?」
「一護…ι」
「え?オレ、ナンカ余計な事――」
「空気読まんかいっハゲェ!!」