第26章 ~拾弐半~LIBERATION2
織姫はルキアとあるビルの屋上に居た
ルキアと出くわし泣き出してしまった織姫は落ち着きを取り戻すと喜助に言われた事を話した
「何だと!?浦原の奴め そんな事を…許せんな」
「ううん…いいの。なんか朽木さんに話したらちょっと落ち着いちゃった。これで良かったんだよきっと。だってあたしに力が足りないのはホントの――」
「よくない!!」
織姫の言葉を聞き、怒鳴ったルキアはガッと織姫の胸倉を掴みあげた
「お前は今迄ずっと戦ってきたではないか!!尸魂界まで乗り込んで戦ってきたではないか!!それをそんな簡単に切り捨てられて悔しくはないのか!?」
「く、くやしくないよ…」
「嘘をつくな!!」
「う、嘘じゃないもん!!くやしくなんかないもん!!
ただ…みんなと一緒に戦えなくて淋しいだけだもん…!でも淋しいよりイヤなの…足手纏いになるのはもっとイヤ…
黒崎くんやサラちゃん、みんなの足手纏いになるくらいなら淋しい方がずっといいよ」
織姫の胸倉から手を離したルキアはその場に座り直す
「……聞け、井上。サラも一護も茶渡も石田も井上も誰か一人でも欠けていたら今の私は此処には居ない。私は井上にも何度も助けられた…」
ルキアはそう言うとふっと優しく微笑んだ
「…決戦に向けてきっと、何か出来ることは有るはずだ。一緒に探そう」
「朽木さん…」
ニコッと笑ったルキアの笑顔に思わずまた涙が出そうになった織姫の前に突如何かが降ってきた
「な!?」
「ひ…ひよ里ちゃん!?」
そこに現れたのはひよ里の姿。そしていきなり織姫の胸倉を掴む
「連れてくで!ハッチが用事あんねんて!」
「え?ハッチさんて――」
次の瞬間にはひよ里は駆け出していく。織姫の悲鳴ともつかぬ声はどんどん遠ざかっていった
「な…何者だ一体!?」
ルキアは訳のわからぬまま一人その場に取り残されてしまった