第26章 ~拾弐半~LIBERATION2
私は織姫の事を考えていた
(確かにこれから辛い闘いになるから喜助さんの言いたい事は解る…でも…)
私は意を決した様に倉庫へと向かった
(これがハッチの結界…普通の死神は絶対に破れないわね…)
倉庫前に着いた私は結界を前に手を触れてみる
(…でも何故かしら…この結界の波動に懐かしさを感じる…)
私はゆっくりと意識を同調させた。すると吸収される様に中へと入る事が出来た
「やっぱり…」
私は口角を上げると歩を進めた
地下ではハッチが再び地下へと続く階段を見つめた
楼「また何かあるのかいハッチ?」
鉢「また…ワタシの結界をすり抜けてきマシタ…」
久「え~またぁ?ハッチンの八爻双崖ってホントに効くの?」
鉢「ひどいデス…」
拳「またさっきの女か?」
鉢「いえ…この霊圧は――」
ハッチが言おうとするより早くサラが階段から下りてきた
羅「おおっサラじゃねーの。お前どうやって入ったんだ?」
サラは皆が興味津々に見つめているのを見渡すと困った様に笑った
「……さぁ…自分でもよく解らないの。ただ意識をハッチの霊力に合わせたっていうのかな?そしたら入れたの」
平「何やハッキリせんな」
「そうね」
サラはふふっと笑うと、落ち込んでいるハッチの前に腰を下ろす
「一日に二回もすんなりと侵入されると流石に落ち込みそうデス…」
「そんな事ないわ。私が変なだけよ…織姫はそういう能力だし」
ハッチは顔を上げると真剣な顔になり私に向き直った
「サラさん…アナタはワタシと同質の結界能力を持っているのデスカ?」
「いいえ、確かに鬼道が一番得意だけど…」
「井上織姫サンがすり抜けたのは何となく判りますが…」
その瞬間、ハッチは目を見開いた
「もしや…サラさんは回帰能力をお持ちなのでは?」