第26章 ~拾弐半~LIBERATION2
倉庫から外に出た織姫の前に一人の人物が姿を現した
「ここにおったか井上」
「夜一さん!?」
「…喜助に少し頼まれての、御主を探しておった。御主を連れて今すぐ地下勉強部屋まで来て欲しいそうじゃ」
そう言う夜一の顔は真剣で織姫は微かに何かあると感じていた
地下の勉強部屋に着くと、チャドを鍛えている恋次の様子を見つめている喜助がいた
「浦原さん…あのお話って、何ですか?」
「……先程、サラさんがここへ来ました」
「はい…」
織姫に背を向けたまま喜助は話し始めた
「御存知っスよね?“王鍵”の話っス。今頃は斑目サン達にも伝わってる頃でしょう。急な話で流石に少し予想外でしたが…
兎にも角にもこれでアタシ達も尸魂界も冬に向けて戦いの準備をしていくことになりました。総力戦だ 恐らく今まで以上の血が流れるでしょう…そして、アタシ達も尸魂界も今迄以上の戦力が必要になる」
「……はい、あたしも強くなりたいです!」
真剣な瞳で意欲を口にする織姫に返ってきた答えは予想外のものだった
「…そうっスね。それじゃ申し上げましょ 井上サン…貴女には今回 戦線から外れて貰います」
「…………え…」
その言葉に、戦っていた恋次とチャドも動きを止め、夜一は黙ったまま織姫の姿を見つめていた
「椿鬼…先日の破面との戦いで破壊されてから修復できてないっスよね?」
ヤミーに破壊されてしまった椿鬼は粉々に砕け散り、織姫のヘアピンも未だ欠けたままだった
「はい…欠片が見つからないぐらい粉々にされちゃって…どうやって治したらいいのかもわかんなくて…」
「椿鬼は貴女の唯一の戦闘手段だ。それを失くしちゃ戦闘への参加は認められない…当然のことっス」
「…ま…待ってくれ浦原さん!!」
恋次と戦っていたチャドが話を聞き思わず駆け寄ってきた