第26章 ~拾弐半~LIBERATION2
「お前……」
「桃…」
モニターにはずっと床に臥せていた雛森桃の姿があった
「日番谷くん…サラちゃん…」
「そうか…目が覚めたのか雛森...もう、歩き回って大丈夫なのか?」
「うんもう大丈夫!」
そう言っている桃の目の下にははっきりとクマが見え、正直大丈夫そうには見えなかった
(…大丈夫ってカオしてねぇよ バカ野郎)
「サラちゃんもありがとう…サラちゃんのお陰で助かったよ…サラちゃんはもう大丈夫?」
「ええ…」
「よかったぁ」
力なく微笑んだ桃は視線を落とし俯いた
「ごめんね…ごめんね日番谷くん。日番谷くんの事疑ったりして…日番谷くんに刀なんて向けたりしてあたしどうかしてたよね。本当にあたし――」
「バカ野郎」
桃の言葉を遮って冬獅郎が口を開いた
「いつまでも気にしちゃいねーよ。そんなこと」
「うん…ありがとう日番谷くん」
目に浮かんだ涙を拭う桃に冬獅郎は続けて言った
「大体よー…オマエそれでなくてもガキみてーなんだから他人の何倍も寝ねぇと成長止まんぞ。サラを見てみろ オメーあと10年は寝続けねーとサラに追いつけねえからな」
「う…うるさいな!サラちゃんは特別だもん!!ひ、日番谷くんに成長のこととか言われたくないよっ!!」
「雛森!」
慌てて言い返す桃は冬獅郎に強く呼ばれビクッと動きを止めた
「…何遍も何遍も言わせんじゃねーよ 日番谷くんじゃなくて日番谷隊長だ」
ふっと優しく笑った冬獅郎にサラも笑みを零した