第26章 ~拾弐半~LIBERATION2
「あの…王鍵…って何ですか?」
急な話についていけない織姫は乱菊に尋ねた
「“王家の鍵”よ 文字通りね…尸魂界にも王家ってのがいるのよ。 王っていっても尸魂界のことは四十六室に任せっきりで一切干渉してこないから実感ないし実際あたしも隊長も直接見たことは一度もないんだけどね」
「然様…王は名を“霊王”と言い尸魂界にあって象徴的でありながら絶対的な存在…
その王宮は尸魂界の中の更に別の空間に存在し、王属特務が守護しておる。その王属特務をまとめていたのが零番隊…隊長であったサラじゃ」
「サラちゃんってそんなに凄かったんだ…」
「…まとめていたと言っても私は直接守護をしていた訳ではないし、指示していただけよ…凄いわけではないわ」
「サラの仕事は儂でも感嘆する所が多かった…零番隊が不在の今、儂が指示を仰いでおるが御主の様にいかぬ」
「じぃの思う様にすればいいわ…私はもう隊長ではないんだから」
乱「サラ…」
冬「………」
顔色一つ変えないサラに冬獅郎達は言葉に詰まる
「…話が逸れてしまったのぅ…“王鍵”とはその王宮へと続く空間を開く鍵じゃ」
「それじゃぁ藍染…さんはその王様を」
「殺す…それが奴の目的じゃろう。じゃが問題は其処では無い」
「…藍染が見たのは“王鍵”の在り処を記した本じゃない 」
「如何にも」
冬獅郎の言葉に山本の目つきが一層鋭くなった
「“王鍵”の所在は代々十三隊総隊長にのみ口伝で伝えられる。故にその所在を記した本なぞ存在せん…奴が見たのは“王鍵”が創られた当時の様子を記した文献―――奴が知ったのは“王鍵の創生法”じゃ」