第25章 ~拾弐~LIBERATION
真子は一護の目の前へと移動し、掌を一護の前に翳した
「!」
「詳しい話は“また今度”や。ちょっと時間かけて俺らのやり方に魂魄なじませてた方がええやろ思ててんけど、考えてみたらオマエは今迄 死神化も始解も卍解も とんでもないスピードで手に入れてきてんやったな」
「…なんでそんなことまで知って―――」
「成程…オマエの言う通りとっとと虚化を教えたった方がお前の性には合うてんのかも知れへんな。いくで一護…後悔しなや」
平子によって強制的に精神世界へと飛ばされた一護の意識が遠のいていきその場に倒れる
「サラ…これから本格的に一護を叩く。コイツがどうなるか分からんし血ィ見たぁなかったら……今帰りや?」
平子は一護を眺めながら低い声で呟く
「……デートの延長はアリ?」
挑戦的な表情の私に真子は笑みを浮かべる
「ホンマええ女やな…ハッチ 二重断層結界や」
「はいデス」
既に結界で覆われていた倉庫に更に結界が張られる
ラブに抱えられ一護の体は地下へと移動させられた
其処は浦原商店や双極の丘の地下の勉強部屋に似ている岩肌の荒地が拡がっている
聞こえるか 一護
オマエは一度、完全に虚化する
喰われるな 喰い尽せ
喰われたらそこで
終いや
「…ハッチ ここにも結界や」
現実世界では一護が完全に虚化するための準備が進めらていた
「え~!?」
「え―言うな!オッサンがえ―言うても何もカワイないぞ!それから一護に五体の封印や」
「…ハイ…人使い荒いデス。結界だけでも大変なのに…」
しょんぼりして文句を言うハッチを見て私はハッチに駆け寄る
「なら…封印は私がする?」
「えっ?封印って言ってもするのは五柱鉄貫…」
「五柱鉄貫ね…」
私は胸の前で両手を合わせ目を閉じる
「鉄砂の壁 僧の塔 灼鉄けいけい 湛然として終に音無し 縛道の七十五【五柱鉄貫】」
詠唱すると五つの五角柱が出現し一護の体が封じられた
「か…完璧デス!!」
羅「お~スゲーな!!」
矢「ホンマや。さすがウチのサラや」
拳「誰がお前のだ…」
久「あれ~拳西ヤキモチ?」
拳「なっ誰が///」
「ふふっ…ハッチ急いで結界を。…来るわよ?」