第25章 ~拾弐~LIBERATION
「…おいサラ…オレの出番取んなやι」
「ごめんね」
サラは平子に斬魄刀を返す
「充分や…文句無いな?ひよ里」
斬魄刀を受け取った平子はひよ里のほうを見た
「………」
脅えたような表情をしたひよ里は息が荒く目に涙を溜めたまま喋らない
「…オマエもよぅ解ったやろ一護。オマエの虚は頭やら体やらで考えたぐらいで抑え込めるような代物やない言うことが
合格や…虚の抑え方 魂の芯まで叩っ込んだるわ」
それを見たサラは踵を返し歩き出した
「サラ?帰んのかいな」
「義骸も置いてきたいし、また明日来るわ」
そう言うと倉庫を出ていくサラを一護は静かに見つめていた
「…ううう…」
そして黒崎家では遊子が机に伏して泣いていた
「お兄ちゃんが帰ってこないよ~…」
「うるさいなぁ…大丈夫だよ2 3日したらフラッと帰ってくるって」
「何で夏梨ちゃんそんなに冷静なの!?これはもう誘拐だよ!事件だよ!」
そんな遣り取りをしているところへ一心がやってきた
「ややっ!!どうした遊子泣いているじゃないか!?ちょっと待ってろ遊子!!今すぐ父さんの必殺オモシロ一発芸を見せてやるからな!えぇっとこれをこうして…」
一心は自分の顔に紐のついた洗濯バサミを沢山つけ始めた
「ひげだるま!!!」
「もともとヒゲだるまじゃねーか」
あきれ返った夏梨は思いっきり洗濯バサミの先に付いた紐を引っ張った
「―――!!!」
「何してるの 一心さん…」
痛みに悶絶している一心の顔を突然現れたサラが心配そうに覗いていた