第25章 ~拾弐~LIBERATION
激しくぶつかり合う衝撃で倉庫が揺れている。虚化したひよ里の前で一護は完全に押されていた。頭から血が流れ死覇装も裂け全身傷だらけになっている
「はっ…はっ…は…ぐッ!?」
「ええ加減にせぇよ…まだわからへんのか!?ビんな言うてるやろ一護!!」
「…ビビッてねぇよ」
一護はチラリとサラの方を見る。サラは表情一つ変えず自分達の光景を見つめている
「…ええこと教えたるわ。卍解しィ」
「……うるせぇ」
「わかってるで。ウチみたァに強いのと戦うてる時に卍解なんかしたらアッと言う間に虚を抑え切れんようになる思うてビビッてんねやろ」
「うるせぇっつッてんだ!」
「ハゲが…オマエ見とると腹立つねん。ビクビクビクビクしゃーがって!ええわもう…そないイヤなら好きにしィ!! 卍解も虚化もせんでええ。オマエ殺して終いや!!」
「くぅ…!!」
一護は切りかかってきたひよ里の斬魄刀をかろうじて受け止める
考えろ…
考えるんだ…
こいつは何で虚化しても正気でいられる!?
こいつはどうやって仮面を着け外ししてる!?
直接戦ってるんだ いくらでも見られる
見て 考えれば解る筈だ!!
その為にここに来た!!
卍解もしねぇ
虚化もしねぇ
あいつに魂を空け渡すのは
二度と―――
その瞬間、一護の片目が黒く染まっていく。ひよ里の斬魄刀が斬月を砕いた途端、一護の意識が飛んだ
「あ゛あアアアアぁぁぁぁ」
「―――!!!」
一護の叫びにサラが静かに目を見開くと、一護の顔が虚の仮面に覆われた
ひよ里は避ける間も無く、虚化した一護に首を掴まれそのまま壁に叩き付けられた
「がッ!?」
成す術もなくひよ里の虚化が解けていき、どんどん首を締め上げられていく
その瞬間、サラは平子の斬魄刀を抜き取ると一護に向かっていく
その一瞬の出来事に仮面の軍勢達は続くように一斉に飛び掛かり、一護は地面へと押さえつけられる
そして沢山の斬魄刀に突きつけられ身動きの取れない一護の虚の仮面をサラが斬魄刀の柄で砕いた