第25章 ~拾弐~LIBERATION
「おとーさーん!!お兄ちゃんとルキアちゃんがいないーー!!」
朝、一護の部屋を覗いた遊子は二人の姿が無いことに急いで階段を駆け下りてきた
「なにぃ!?」
「どうしたんですの?おじ様」
ルキアが騒がしくする二人を不思議に思い声をかけた
「おお!ルキアちゃん!!」
「お兄ちゃんがいないの!!ルキアちゃん知らない?」
「一護が?」
ルキアは先週の出来事ことを思い起こす
恋「も…もう治ったのか!?」
ル「そのようだな…信じ難い速さではあるが塞がっている」
織姫の治療が終わり、起き上がったルキアは傷口があった腹部を見ながら言う
「有難う井上。どんどん腕を上げていくな…井上は」
「そ…そんなことないよ。私なんて…」
「…治ったのか、ルキア」
「…一護…何だその顔は!」
ルキアが眉間に皺を寄せ責任を感じている一護の表情に文句をもらす
「私の怪我に責任を感じているのか?調子に乗るな。自分の怪我は自分のミスだ。守られるほど私は弱くはない!!」
「あぁ…」
また前の様な一護の態度に不満を感じるルキアは助言をする
「……貴様の内なる虚のことなら浦原の奴に聞いてみたらどうだ?貴様を鍛えたのはあ奴だ。ならばその内なる虚の事も或いは――」
「浦原さんには訊く気はねぇんだ。あの人は何も話さなくてもきっと今のオレの状態には気がついてる…そして、その解決法を知ってるならきっと尸魂界に行く前に教えてくれてると思うんだ。何も言ってこないってことはあの人もコイツを抑える方法を知らねぇって事だ
オレはあの人に鍛えてもらった。十分感謝してる。だから、このことであの人を問い詰めるようなマネはしたくねぇんだ…」
「ならどうする…このままサラとは話さぬつもりか?」
一護は少し表情を曇らせるとポツリと呟く
「…虎穴に入らずんば虎児を得ず…」
「は?いきなり何を…」
恋「それって確か…危険を冒さなければ望みのモノを得ることは出来ねぇって事だよな?それがどうした?」
「………」
一護はその後の問いに一切応えることは無かった