第25章 ~拾弐~LIBERATION
次の日からサラは学校も行かず一日中、地下の勉強部屋で卍解を取り戻そうとしていた
喜助の作った装置で沢山の敵を具象化し月華で倒していく
その数はゆうに百を越えていた
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「サラさん少しは休まないと…もう3日も学校行ってないでしょ?」
「…そんな暇があったら一時でも多く月華に触れていたい」
「確かに前より勘は戻ってきているみたいですけど、それはアナタの動きが増してるだけ…アタシの作った転神体ですら具象化出来ませんからねぇ」
「なら尚更いろんな方法を試さないと…」
サラは休むことなく喜助の作った装置に向かい刀を振るう。喜助はその姿をジッと見つめていた
(焦りが出ている…いつも冷静なサラが破面の出現によってこうも感情的になるとは…
いや、違う。沢山の人々が傷付いていくのを見るのがもう限界なんだ)
喜助は深いため息をつくと、気持ちを切り替えたかの様に鋭い目で闘うサラを観察する
(ここにきて初めてサラの能力を知ったがここまでとは…これでまだ半分も力が出てないということは卍解を取り戻したら…)
喜助は自分の背筋がゾクリと震えるのがわかると、杖を持ちサラの前に立つ
「はぁ…はぁ…喜助さん?」
「……ここからはアタシとやりましょう」
そう言って装置を止めるとたちまちサラと喜助の二人だけとなる
「アタシは鬼道でも何でも使うんでサラさんは月華のみの力で対応して下さい。追い込んだら卍解出来るかもしれないッスからね」
「…ありがとう喜助さん…お願いします!!」
それから3日間、ぶっ通しで喜助と闘うも卍解にはいたらなかった