第24章 ~拾壱半々~ADVANCE3
「ジン太...」
「オレが…オレが止めるの遅かったから……」
「うん…」
「オレ…アイツの前に動けなくて…情けなくて…」
ジン太は震える手で膝を抱える
「オレのせいで雨が…オレのせい…」
俯くジン太を私は優しく抱きしめる
「どうしてジン太のせいなの?ジン太のせいじゃない事なんて雨が一番解ってるわ…それに情けなくなんてない。自分の事そういう風に言えるジン太は凄く強いよ」
ゆっくりと顔を上げるジン太の頬に両手を添え微笑む
「雨が起きたらゴメンじゃなくて笑っておはようって言ってあげようね?」
ジン太はその瞬間、目に涙が溢れ私に抱きついた
「ふっ…うあぁぁ~ん」
「怖かったね…大丈夫大丈夫…」
私は背中を擦りながら泣き止むまで優しく抱きしめ続けた
そして泣き疲れて眠ったジン太を布団に寝かせるとソッと襖を閉めた
「サラさん…」
「喜助さん…雨は?」
「もう大丈夫です。5日もすれば元の生活が出来るでしょう」
「良かった…」
私が安堵の息を吐いていると喜助さんが頭を下げた
「喜助さん?」
「雨の事で頭がいっぱいでサラさんがジン太に近寄るまで誰もジン太に声すら掛けなかった…ジン太も同じだけ苦しかったのに…保護者失格ッス」
「喜助さん…」
「ありがとう…サラさんが居てくれて本当に良かった…」
「………そう言って貰えて私も嬉しいです…」
私は喜助さんの頭を上げさせると部屋へと戻っていった
「サラ…さん?」
私は部屋に入るなりベッドに倒れこんだ
破面が襲って来た時、始解しなくても何とかなりそうだった
でも十刃…あの人達が解放したら始解だけじゃ上の番号の破面には敵わないかもしれない
それでなくても今までの半分も力が出せてない…
「月華応えて…このままじゃ皆が…」
私に今までに無い焦りが押し寄せていた