第24章 ~拾壱半々~ADVANCE3
虚圏へ戻ったグリムジョーと東仙は藍染の元へと向かった
「おかえりグリムジョー」
「・・・」
藍染は高い玉座に座り笑顔でグリムジョーを迎え入れる
黙っているグリムジョーに東仙が窘める
「どうした?謝罪の言葉があるだろうグリムジョー」
「別に」
「貴様…」
そういい捨てたグリムジョーに東仙は怒りを露にした
「いいんだ要。私は何も怒ってなどいないよ」
「藍染様!?」
そんな東仙を鎮撫した藍染はグリムジョーに視線を移した
「グリムジョーの今回の行動は御し難い程の忠誠心の表れだと私は思っているんだ。違うかい?グリムジョー」
「…そうです」
見下ろす冷たい瞳にグリムジョーは答えた。いやそう言わされた
その瞬間グリムジョーの胸倉を東仙が掴みあげる
「何すんだ東仙」
「藍染様この者の処刑の許可を!!」
甘すぎる藍染の処分が納得いかない東仙は胸倉を掴む手に力を篭める
「私情だな。テメェがオレを気に喰わねぇだけじゃねぇか。統括官様がそんなことでいいのかよ?」
「私は調和を乱す者を許すべきではないと考える。それだけだ」
「組織の為か?」
「藍染様の為だ」
「はっ…大儀を掲げるのがお上手なこった」
「そうだ大儀だ…貴様の行いにはそれが無い。大儀無き正義は殺戮に過ぎない、だが大儀の下の殺戮は―――正義だ!!」
斬魄刀に手を掛けた要は一瞬でグリムジョーの左腕を斬り落とした
「ぅぁあああああぁぁッ!!!」
「破道の五十四【廃炎】」
そして東仙は切り落とされたグリムジョーの腕を再生出来ぬ様に跡形もなく焼き消した
「くそ…くそッ!!くそッ!!テメェ俺の腕を!!殺す!!」
「お前はハルカサラに傷をつけた。藍染様に対する命令違反だ。これくらいで済むのを感謝してもらおう…」
「テメェ殺す!!」
怒りに震えグリムジョーは斬魄刀に手を掛け、東仙に向かっていく
「グリムジョー」
藍染の静かな声に我に返り足を止めた
「お前がそこで要を攻撃をすれば…私はお前を許すわけにはいかなくなる…」
ギリッと歯を食いしばりグリムジョーは刀を引いた
「チッ!」
舌打ちをし、グリムジョーは背を向けてその場を立ち去った