第24章 ~拾壱半々~ADVANCE3
その場に膝を突いて俯いた一護の元へゆっくりと恋次が歩いてくる
「破面共は虚圏に帰ったのか?」
一護は立ち上がったが何も応えない
「……勝ったのか?」
「敗けた」
空を見上げたまま動かない一護の後姿を恋次はじっと見つめた
「馬鹿野郎…生きてりゃそれで勝ちじゃねぇか」
「嘘吐くなよ。オマエがオレならそうは言わねぇ筈だぜ」
その言葉に恋次は一護から目を曝した
「オレは誰も護れちゃいねぇ。傷つけた奴を倒せてもいねぇ…オレは敗けたんだ……グリムジョー」
浦原商店でも雨の治療がテッサイによって行われていた
雨「き…キスケさん…キスケさん…ごめんなさい」
布団に寝かされた雨は縋る様に喜助の手を握り締めている
「…大丈夫だ 雨」
その背後でジン太は悔しそうに拳を握り締め俯いていた
「ルキア…」
ルキアの元へ戻ってきた一護。ルキアを見つめる一護の瞳が余りに寂しげで悲しげで辛そうで
織姫は治療を続けなから見ていられなくなり一護から視線を外した
サラはそんな皆から離れた所で空に悠然と輝く三日月を見つめていた
その瞳からはスッと涙がつたう。サラの心情がそうさせているのか皆の想いを代弁しているのかそれは誰にもわからなかった