第24章 ~拾壱半々~ADVANCE3
一護の脳裏に初めて破面…ウルキオラとヤミーが現れたときの光景が浮かんだ
護れなかった大切な仲間
誰よりも護りたいと思っていたサラに護られた自分
尸魂界でも死にかけてルキアを護ったのはサラだった――
「チッ…こんなモンが卍解かよ。ガッカリさせんじゃねぇよ死神!!卍解になってマトモのなったのはスピードだけか!!あァ!?」
「月牙天衝!!」
自らの霊力を糧に刃先から超高密度の霊圧による斬撃を放つ。だがいつもの月光の様な色ではなく真っ黒
咄嗟にグリムジョーは迫り来る月牙天衝を両腕で受け止めた
「何だ今のは…そんな技ウルキオラの報告にゃ入ってなかったぜ死神!!」
両腕は焼け爛れているにも関わらずグリムジョーはニヤリと笑った
「ガッカリせずに済みそうか?破面」
「はっ…はははははっ!! 上等じゃねえか死神!!これで漸く、殺す甲斐が出てくるってモンだぜ!!」
あの声が聞こえる
ジワリと一護の瞳が黒くなっていく
《随分余裕じゃねぇかよ なぁ!?》
待てよ…もうちょっとだからよ
内なる虚により黒く染まっていく左目を押さえ一護は呟いた
《へっ…テメェ一人でどこまで出来る!?》
(傷が浅ぇ…月牙天衝をモロに喰らってもあの程度かよ。黒い月牙天衝はもともとアイツの技でアイツが出てくるのを早める…正気で撃つのはあと2・3発が限界だ どうする!?)
「オイ何時までボサっとしてんだよ…死神!!」
グリムジョーは一護に向かって先程の比ではない凄まじい霊圧をぶつける。内なる虚を抑えていた一護は咄嗟の出来事に動けない
爆音と煙幕が舞うなかニヤついていたグリムジョーは段々と晴れていく視界に眉を潜めた
「テメェ…」
そこにはグリムジョーの攻撃を相殺したサラの姿があった