第24章 ~拾壱半々~ADVANCE3
一方…シャウロンと対峙している冬獅郎は苦戦を強いられ、卍解によって冬獅郎を覆っている氷があたりに振り落ちていた
ナキームに見下ろされている乱菊は既に地に伏していて、織姫は成す術も無くただその光景を見ていることしか出来なかった
「ふん。隊長格が卍解してもこの程度…極めて残念です。確かにあなたは一番のハズレのようだ」
「・・・」
(イールフォルトが解放したか…飽きて早く片付けたくなったか或いは思わぬ反撃で深手を負い解放せざるを得なくなったか――ふっそれは無いか…ん?)
卍解した冬獅郎がシャウロンに向かって攻撃を仕掛けるが、シャウロンは刀をスッと構え冬獅郎の攻撃を受け止める
「はっ…はっ…はぁ…くそっ」
爆煙が晴れたそこには刀身が凍り付いてはいるが無傷のシャウロンの姿があった
「フム…自らの尾を叩きつける言わば捨て身の攻撃でこの程度。残念窮まる」
シャウロンは刀を振り刀身を覆っていた氷を薙ぎ払った
「…減っていますね氷の華」
「……それがどうした」
「その氷の華は時間と共に一枚ずつ花弁を落としてゆき、その全てが散った時、貴方の卍解は消える」
「・・・」
「12枚あった花弁も残るは僅かに3枚…卍解が消えてから殺すのは容易いがそれでは幾ら弱いとは言え、隊長に対して失礼というもの
せめてそのままの姿で叩き潰してあげましょう…こちらの最大戦力でね」
グンとシャウロンの霊圧が上がる
「截て【五鋏蟲】(ティヘレタ)」
昆虫の外皮を思わせる鎧の姿に変化し辮髪に鋏蟲の尾のよう物が現れる
「フム……」
「な―――!?」
冬獅郎が気がついた時にはもう遅く、鋭く伸びた爪が冬獅郎の体を切裂き全身から血が吹き出していた
「一応本当の名を教えておこうか…破面No.11(アランカル・ウンデシーモ)シャウロン・クーファン…よろしく小さな隊長さん」