第23章 ~拾壱半~ADVANCE2
フッと意識が戻った一角はギュッと手にしていた斬魄刀を握り締め目を開けた
「生きると思ってたよ一角」
弓親が笑みを携えて一角を覗く
「あたりめぇだ。オレは今日ツイてんだぜ?あ…そうでもねぇか、サラに卍解見られちまったからよ」
「ええ。知らなかった」
「ま、オマエは他言しないだろうが...一つ聴いていいか?」
「なぁに?」
「オマエはオレが隊長になった方がいいと思うか?」
サラは少し目を丸くするが、すぐにフッと笑みを漏らす
「確かに…卍解は修得してるし隊長になれる器だと思うわ。
でも私は更木隊の斑目一角のが好き…」
その言葉に一角は目を閉じて笑みを浮かべる
「そうか…」
弓親も穏やかな笑みを浮かべていた
その後、サラが一角の傷を治していると啓吾が近寄ってくる
「あの~…サラちゃんも…その…死神というヤツですか?」
サラは治療を止めると啓吾に向き直り、擦りむいていた啓吾の手を取ると傷を治しながら話す
「ゴメンね啓吾。内緒に出来る?」
「出来なきゃココで殺すまでだ」
「ギャーーー!?出来ます出来ます墓場まで持っていきます!!」
「ありがと…」
サラは啓吾の手を離すとまた一角に向き直り手を翳そうとするとその手を掴まれる
「向かうトコあんだろ?もういいからそっち行け」
「まだ他の皆も油断出来ないからね」
サラは頷くと一瞬にしてその場から消え去った
「…まさか隊長と同じ事を言うなんてね」
「あぁ…隊長とは真逆のヤツだと思ってたんだがな…隊長が女にしたがるのも解るぜ」
「あれ?惚れちゃった?」
「何言ってんだ。……まぁ少しだけな」
「奇遇だね。僕もだよ」
二人は暫くの間サラの消えた方角を見つめていた