第23章 ~拾壱半~ADVANCE2
今までの比じゃない霊圧が痛いほどに跳ね上がる
「そうか…使うことにしたんだね」
「へぇ…」
凄まじい風圧の中、サラは感嘆の声を漏らす
エドラドは一角の霊圧に顔を顰め、その風圧に耐えていた
「卍解だと?」
「あぁそうだ…卍解【龍紋鬼灯丸】!!」
「…凄ぇじゃねぇか」
「世辞はやめろよ。まだテメェが感心するほどの霊圧は出ちゃいねせ筈だ 凄ぇかどうかは 死んでから決めろ!!」
互いに渾身の一打を浴びせ二つの大きな力が激しくぶつかり合った
濃い煙幕が次第に晴れていく。ゴボッと大量に血を吐いた一角の体はそのまま宙から地へと落ちていった
「斑目一角か…聞いといてよかったぜ…」
「礼儀ってもんだろ。戦いに死ぬと決めた奴なら自分を倒す奴の名ぐらい知って死にてぇ筈だからな…」
一角の攻撃を受け尚も立っていたエドラドだったが右脇腹は一角の攻撃によって大きく抉り取られてそのまま絶命したエドラドもまた宙から地へと落ちていった
落ちていくなか、一角は昔の事を思い出し交錯いていく
「卍解?」
「出来るんでしょ?何で使わないんスか?隠すんですか?」
「オレの流儀だ」
「流儀?そんな馬鹿な流儀が…」
「こっちも追う立場なんでなぁ必死なんだよ」
「頼む一角さん!アンタしかいねぇんだ…他の副隊長に卍解が使える人はいねぇ!いや、もし居たとしてもそれでもオレはあんたしか居ねぇと思ってる!!」
恋次は何度も訴えてかける。謀反により藍染達が抜けた事で一角に隊長になるよう懇願する
「…昔話したろう。オレはテメェと、弓親以外の奴に卍解の事を教える気は無ぇってな…
もし卍解できるってことが知れたらテメェ以外の奴も隊長をやれって言ってくるだろうが。オレは隊長になる気は無ぇ。隊長になるって事は更木隊長の下で戦えねぇって事だ…
テメェの望みが朽木白哉を超えることならオレの望みは"あの人の下で戦って死ぬ"それだけだ…―――」