第23章 ~拾壱半~ADVANCE2
「そんなに乱菊に似てた?」
「あ…ああ。どうしたんだ?」
「ご飯食べた?」
「いや…」
「よかった~はいコレ」
サラが渡した包みを開くと美味しそうな弁当が
「コレ…サラが作ったのか?」
「ええ。冬獅郎の事だから食べて無いんじゃないかと思って。まだ温かいから早く食べて?」
冬獅郎は綺麗に巻かれた卵焼きを一口かじる
「美味しい…」
「本当?良かった♪」
サラはニコニコ笑いながら冬獅郎の横に腰かける
「…ありがとな」
冬獅郎はわざわざ自分を心配して来てくれた事に嬉しくなる
「いえいえ♪でもずっとココにいるの?意地張ってないで織姫の所に行けばいいのに…」
「別に意地なんて張ってねぇ…」
冬獅郎はぶっきらぼうにおにぎりをかじる
「クス…素直じゃないんだから……ならウチに来る?」
「浦原の所にか?アソコは阿散井がいるだろうが」
「だから私の部屋に」
「………は?」
「確かに部屋はないから私と一緒でいいなら来てもいいよ?」
「なっ何言って///オレ男だぞ!?」
「大丈夫よ冬獅郎なら…」
その言葉に冬獅郎はカチンとくる
「(男として見てねぇってか?)…いや、任務の事もあるから松本の所にいる」
「そう?あっそれで冬獅郎に聴きたい事あるんだけど…」
「聴きたい事?」
冬獅郎はまだ機嫌が直ってないのか眉をひそめる
「破面について…さっき聞かなかったから」
「...ああ分かった」
気持ちを切り替えるように冬獅郎は弁当の包みを閉じると、一護の家で話した事を詳しく話した
「そう…ならもっと急がないと…」
サラは呟いたかと思うと立ち上がった
「帰るのか?」
「ちょっと出てくるって言っただけだからもう戻らないとウチのご主人様が怒っちゃう。じゃ早く部屋に入れて貰ってね?」
サラは弁当の包みを受け取ると屋根から飛び下りると駆けていった
「……急ぐ…何を急いでるんだ?」
冬獅郎は月に向かって呟いた。離れた所で大きな異空間が現れたことには気が付かずに…
そして其処から水浅葱色の髪をした破面グリムジョーが姿を現した