第22章 ~拾壱~ADVANCE
虚圏 虚夜宮(ウェコムンド ラスノーチェス)
現世から戻ったウルキオラとヤミーは周りに何人もの破面が居る中、御膳の前で頭を下げる
「只今戻りました 藍染様」
「おかえり、さぁ見せてくれウルキオラ。君が現世で見たもの感じたことの全てを」
「はい」
ウルキオラはソッと自分の左目に手を伸ばし眼球を取り出す
「どうぞご覧下さい」
パキッと音を立てて眼球が砕け散ると、その場にいる者達全てにウルキオラの見た全てが記憶として流れ込む
「 ――成る程。それで彼を“この程度では殺す価値無し”と判断したという訳か」
「はい。“我らの妨げになるようなら殺せ”とのご命令でしたので」
「微温ィな。こんな奴らオレなら最初の一撃で殺してるぜ」
声を発したのは右顎を象った仮面を着け端正な顔立ちに水浅葱色の髪をした腹部に孔の開いた男
「…グリムジョー」
「理屈がどうだろうが“殺せ”って一言が命令に入ってんなら殺した方が良いにきまってんだろうが!あ!?」
「同感だな。何にしろ敵だ。殺る価値などなくとも生かす価値など更にない」
グリムジョーに同感の意を表わし頷いたのは左目から頭部にかけて横長の鎧のような仮面を着けた辮髪の男シャウロン・クーファン
「大体ヤミー、テメェはボコボコにやられてんじゃねぇか。それで殺す価値なしとか言っても殺せませんでしたとしか聞こえねぇよ」
「てめぇグリムジョー…今の見てなかったのか?オレがやられたのは下駄の男と目的の女だ。このガキじゃねぇ」
「わかんねぇ奴だな。オレなら一撃で殺せるっつッてんだよ!!」
グリムジョーの言葉にヤミーは思わず立ち上がった