第22章 ~拾壱~ADVANCE
「破面は確かに虚の面を剥ぐ事で生まれる。だがその辺の虚の面を剥いだところで大したもんは出来やしねぇ…
本気で尸魂界に戦争を仕掛けるつもりなら破面化の対象はおのずと大虚(メノス)以上に限られる」
「大虚以上?なんだよまるで大虚よりまだ上の虚がいるみてぇな言い方じゃねぇか」
「あぁ…いや正確には大虚の中に更に三つの階があって一つ目は最下大虚(ギリアン)大虚の中で最下層で数も多い全て同じ姿をしているのが特徴だ
貴様が死神の力を手に入れて間もなく現世で追い払ったのがこいつだ。雑兵と言っていいだろう」
一護は石田が撒き餌を蒔いて集まってきた虚の中で空を切り裂いて出てきた出てきた大きな虚を思い出す
「あいつが…雑兵」
「見た目は巨大だが動きが緩慢で知能も獣並み。隊長クラスなら倒すのにそう問題はない。問題は次からだ
二つ目は中級大虚(アジューカス)、ギリアンよりもやや小さく数も少ないが知能が高く戦闘能力はギリアンの数倍、数多いギリアンを纏める存在だ
そして三つ目が最上大虚(ヴァストローデ)、最上級のメノスで大きさは人間と同程度、数は極めて少なく虚圏(ウェコムンド)全域に数体しか居ないと言われているが……
はっきり言う。この最上大虚級の戦闘能力は隊長格より上だ」
「―――!!!」
思いもよらない冬獅郎の言葉に一護は目を見開いた
「破面化によって大虚共が手に入れる力は未知数だが隊長格が三人抜けそれがそのまま大虚共の上に就いた今これだけは言える…
もし現時点で藍染の元にこの最上大虚級が十体以上いたら…尸魂界は終わりだ」
虚圏――
現世より戻ったウルキオラ達が藍染の御前に頭を下げる
「おかえりウルキオラ、ヤミー、さぁ成果を聞かせておくれ。我ら二十の同胞の前で――」