第22章 ~拾壱~ADVANCE
「うちの教室の方なんか随分騒がしいね」
廊下を歩いていた水色と啓吾は教室の異変に気付く
「ん?了解今すぐ私めが偵察して参りまぁす」
教室までダッシュした啓吾は勢いよくドアを開けた
「こらぁ!オレ抜きでそんなテンション上げてんのはドコのどいつ―――」
啓吾は言葉を失う。目の前には鬼の形相で自分を見る木刀持った一角の姿
「あぁ~ん?」
「ひぃいいい!!」
啓吾はあまりの恐ろしさに腰を抜かす
「何だテメェは…何見てんだ卸してすり身にして丸めてカリっと揚げてシンジョにして食うぞ コラァ」
「やめろって言ってんでしょツルッパゲ」
恐ろしい顔で啓吾に迫っていた一角の頭を乱菊はぺシッと叩いた
「何しやがるんだ松本、人の頭をペシペシ」
「うるさい。それ以上騒ぐとやちるに言いつけるわよ」
「!!ぃや…そりゃほらお前…勘弁しちくれ」
「最初っからそうやって素直に言うこと聞きゃいいのよ」
「あんた達もモタモタしない。ここを引き上げるわよボンクラ」
「そのボンクラにはオレも入ってんじゃねぇだろうな…」
眉間の皺を増やした冬獅郎は乱菊を睨みつけた
「まさか~♪隊長は別ですよ。最近隊長、被害妄想強いですよ?」
そんな中、サラはへたりこんでいる啓吾に近寄る
「そんな所に転がってて大丈夫ですか?浅野さん」
「え!?水色だけじゃなくついにサラちゃんまで敬語!?」
青ざめて涙目になる啓吾にサラはクスッと笑い出す
「冗談よ♪大丈夫?啓吾」
手を差し出すサラに手を伸ばそうとした啓吾は前屈みになった事でシャツの隙間から谷間が覗くのを見逃さなかった
「な…なんと素晴らしいアングル…サラちゃぁ~ん♪フゴッ!!」
そのままサラに飛び掛ったがその横から乱菊が振り向くことなく啓吾の顔面に裏拳をぶち込んだ