第22章 ~拾壱~ADVANCE
「おいルキア。一体何処連れてく気なんだよ」
ルキアは死神化させた一護を連れて街中を走っていた
「うるさい。いいから黙って走れ。よし…そこだ!」
ルキアにいわれ一護は降り立つが特に変わった様子は無い
「おいココに何が―――」
突如そこへ虚が出現する
「虚!?」
「そうだ。行って来い!!」
ルキアは一護を虚の所まで蹴り飛ばした。その一護にいきなり虚は殴りかかる
「どわっ…この野郎!!」
咄嗟に飛び避けたは斬月に手をかける。だが抜くことが出来なかった
どうしても内なる虚の事が頭から離れない
誰一人護れなかった恐怖が拭い切れない
そんな一護に虚が容赦なく襲い掛かる
「何をしている?さっさと戦え。それのどこが戦っているというのだ?」
「何……?」
「普段の貴様ならその程度の虚を倒す事などわけないだろう」
「うるせぇな…言われなくてもそうするぜ」
再び一護は斬月に手をかける。その瞬間、一護の目の前に内なる自分が現れる
《ハハハッ 確実に近づいてるぜ!このまま、もっともっと近づいてテメェを飲み込んでやる。そうしたらテメェ消えるぜ!!? 》
目の前に現れた虚一護は笑いながら一護の顔面に虚の仮面を作り上げていく
「やめろ…やめッ うわぁあああ!!!?」
虚の自分に飲み込まれたかとハッと気が付くと何事もなく先程と同じ光景が広がっている
「……知っておるぞ。貴様、破面共にやられてから一度も死神化しておらぬだろう?何を恐れておるのだ?」
「うるせぇよ…」
「茶渡がやられた。井上がやられた。それが何だ!?貴様はその程度で心折れるような男だったのか?
敗北が恐ろしいか?仲間を護れぬことが恐ろしいか?それとも貴様の中の内なる虚が恐ろしいか!?」
「うるせぇ!!!!」
ギュッと斬月を握り、静かに開いた一護の瞳は意志の強い光の宿るものだった