第22章 ~拾壱~ADVANCE
「嫌っーーーー!!!!」
千鶴の悲痛な叫び声が教室に響き渡る
「どどどどうしたの!?織姫その怪我ぁ!!」
5日振りに学校へ登校してきた織姫の腕と頭には痛々しい包帯が巻かれていた
「階段で転んだの」
「嘘じゃん絶対嘘じゃん階段の訳ないじゃん!」
「えへへへ…」
「えへへじゃないわよ!いきなり五日間も学校休んだと思ったらこれだもん。あんまり心配させないで…」
織姫と千鶴が会話を交わしている所に登校してきた一護は織姫の方へと歩いていった
「…井上」
「なに?黒崎くん」
見てわかるほど痛々しい姿なのに織姫は飽くまで元気に振り返る。それがまた一護を戸惑わせた
「……いや……いいや…何でもねえ」
一護は織姫の横をスッと通り過ぎて自分の席に着いた
「何?あいつ…」
「ごめん私ちょっとトイレ!」
一護の態度に居た堪れなくなった織姫はそのまま教室を出ていった。一護はただ織姫の後姿を見つめることしか出来なかった
《謝らないで黒崎くん。私が勝手に飛び込んで私が勝手に怪我しただけだから…全然痛くなんて無いからそんな顔して謝らないで》
井上にケガを負わせた
チャドもやられた
竜貴も死にかけた
またサラに護られた
大切な人一人護ることすら出来なかった
みんなオレが弱いせいだ
どうしていいかわかんねぇ
サラはさらに落ち込む一護に何も言わなかった
保健室の一件以来、気まずくなった二人に拍車をかけた事件。一護はサラを避ける様になっていた
――――――――
昼休み
ドヤドヤと騒がしく、高校生に見えない一行が廊下を歩いていた