第21章 ~拾半々~EIGHT3
「…今日の破面との戦い…何故、白打を?」
急に放たれた質問に、私はピクッと体を強張らせた
「…咄嗟だったから…鬼道じゃ間に合わないと思って…」
「鬼道じゃ...ねぇ…斬魄刀はどうしたんです?尸魂界から取って来たんでしょう?」
「……私の斬魄刀は鬼道系です。一度捕らえましたがあの強靭な肉体と力には効かなかったから…」
「…相手は自分の鋼の肉体を売にしている。そこまで解っていながら白打ッスか…」
「相手を甘く見た私のミスです…破面の外皮にあれほどの霊圧強度があるなんて…」
「…覚えておきましょう。もう一つだけ答えて下さい」
「...何ですか?」
「他に…黙っているコトは?」
その言葉にサラは困った様な表情になる。そしてゆっくり喜助に目線を合わせると悲しそうに笑う喜助がいて、サラは目を見開くとそのまま俯いてしまった
「言いたくないならそれでも構いませんが...アタシはサラさんの口から聞きたい…」
喜助はそう言うとサラの手に優しく触れる。サラの手は微かに震えていて、喜助は黙ってその手を包み込んだ
「私……斬魄刀を持つ資格なんて無いんです。斬魄刀が…月華が応えてくれません…」
「しかし…」
「月華は優しいから…始解は出来るんです。でも以前程の力は無いし卍解に至っては…」
「…出来ないんスか」
サラは黙って頷いた
「だから毎日、地下の勉強部屋に行ってたんですか...」
その言葉にサラは顔を上げる
「…知ってたんですか?」
「サラさんがコッチに戻って来てから毎晩、皆が寝静まった後に部屋を出ていってるのは知ってましたから。ほら、アタシの部屋はサラさんの真下ッスから」
ヘラッと笑う喜助につられサラも微笑む。でもその顔はどこか寂しそうで喜助は胸が締め付けられた