第21章 ~拾半々~EIGHT3
(喜助さん最初から気付いてた…)
私は用意周到な喜助さんに少しだけ胸が痛んだ
「…他に痛むトコは?」
「ぇ?あ…多分…大丈夫」
「多分って…はぁ…ιちょっと捲りますよ」
喜助さんは私の着流しの裾を開くと直に足を触り始める
「喜助さん!?」
「また内緒にされると困るんですよ。黙ってアタシの質問にだけ答えなさい」
少し強めの口調の喜助さんに私は大人しくなった
喜助さんはそれを確認するとふくらはぎを触る
「触っていくなか少し押したりしますから痛かったらちゃんと言いなさい」
私が素直にコクリと頷くと喜助さんは少し笑みをみせる
「いい子だ……」
喜助さんはふくらはぎから膝、膝から太股へと手を滑らせていく
喜助さんからしたら傷に障らない様に触れているつもりでも私はその優しい触れ方に少し緊張していた
太股の上に手を移動しようとした時、私の手が喜助さんを制する
「…どうしました?」
「あの…それ以上捲ると見えちゃうかも…下着…」
喜助さんは黙ったまま私の手を退かすと太股に触れる
「喜助さん!!」
「アタシはケガの具合を診てるんです…サラさんは何か別の事考えてるんスか?」
「そんなこと…」
「なら黙ってなさい」
真剣な表情の喜助さんに私はもう何も言えなくなってしまった