第21章 ~拾半々~EIGHT3
「チッ…次から次へと邪魔くせぇ連中だぜ。割って入るって事はテメェらから殺してくれって意味でいいんだよなぁ!?」
再び腕を振り上げたヤミーは喜助に殴りかかる
そのヤミーの腕を掴んだサラはヤミーの巨体をそのまま蹴り飛ばした
「グワアァア!?」
サラは倒れたヤミーに背を向けると喜助の元へ向かう
「手当する」
「はい」
喜助は懐から薬の包みを取り出すとサラに手渡した
「クソガァアア!!」
しかしヤミーはすぐに立ち上がりサラ達にに向かって殴りかかってくるが、一瞬にして二人は姿を消した
「!?」
次の瞬間、ヤミーの顔面にサラの蹴りが飛んでくる。そのまま体制を翻し後頭部に攻撃を与えるとヤミーは膝をつき再び倒れこんだ
(ヤミーがこうも簡単に…体術にも長けているのか)
私はヤミーの元を離れると織姫の元へ歩み寄る
織姫の膨れ上がった顔に目を逸らしそうになるも、織姫が目を覚ましたので笑顔で応えた
「サラ…ちゃん?黒崎くん...は?」
「無事よ安心して。飲める?」
織姫に薬を飲ませたその時、ヤミーの腕が微かに動いた
「…まだ向かって来るの?」
私は立ち上がるとヤミーの前に歩み寄る
その瞬間、ムクリと立ち上がったヤミーは大きな口を開いた
「やめろヤミー!!!!」
「虚閃(セロ)!?」
一直線に放たれた高密度の虚閃、辺りに大きな爆発が起きる
「はっはははザマーみやがれ粉々だぜ!!オレの虚閃をこの距離で躱せるわきゃぁ…――!!??」
爆煙の中に人影が見えヤミーは目を見開いた。そこにはサラを庇うように立っている喜助の姿があった