第21章 ~拾半々~EIGHT3
「天鎖斬月」
(凄い…これが黒崎君の卍解 …初めて近くで見るけどこんなに凄いなんて)
織姫は真近で初めて見る一護の卍解に圧倒されていた
「卍解だと?おいウルキオラこいつ…」
「あぁ…まさかお前の無駄な戦いでこうも簡単に燻り出せるとはな。橙の髪、黒い卍解…間違いないそいつが標的だヤミー」
「探す手間が省けたって訳だスエルテェェ(ラッキー)!!」
ヤミーは途端に一護に向け拳を振り下ろす。その拳を一護は斬月で難なく防いだ
「チャドの右腕をやったのはテメェか?」
「だったらどうした?」
ニヤリと口角を上げ笑ったヤミーに対し、無言で一護はその場から飛び上がる。一瞬の出来事だった
着地と同時にヤミーの右腕が切り落とされその場に転がり落ちた
「ぐぉおおおおッ!?腕が!!」
(馬鹿が…相手の力量も測らんうちに飛びだすからだ。だから探査能力を鍛えろというんだ。しかしあのガキ…ヤミーの鋼皮を切り裂いて腕を落とすとは…
卍解を手に入れて間もないと聞くが相当な霊圧硬度だ。だがこの程度では藍染様の脅威になるとは思えんがな)
「ハァッハァッ…くそ…ガキがぁ!」
「まだ立ってられるのかよ?見た目どおりタフだな」
「ずいぶん苦戦してるな。代わってやろうか?」
その言葉を無視したヤミーは、腰に挿していた斬魄刀に手をかける
「こんな奴相手に斬魄刀まで使うのか?」
「うるせぇつってんだろぉが!!」
(斬魄刀!?やっぱり腰に挿してたアレは斬魄刀だったのかよ…割れた虚の仮面…胸の穴…斬魄刀…ここに来る前から妙な霊圧だとは思ってたが何なんだこいつら…)
ヤミーの腰に刺さっていた刀が斬魄刀だと知り一護は自分と類似している事を頭に浮かべてしまう
(同類…平子やオレと――)
途端に内なる虚が反応を示し、頭の中を木霊する