第20章 ~拾半~EIGHT2
私は真子に連れられある使われていない倉庫へとやって来た
「ここなら気兼ね無く話せるやろ。じゃあ早速話そか…姫さんは何者や?一護と関わりがある人物は皆調べたつもりやったんやけどなぁ?」
「私がこっちに来たのは二年前…その時はこんな力ありませんでしたから」
「でも人間とちゃうよな?上手く隠しとるけどそれ義骸やもんな」
「私最近まで記憶が無かったんですよ。だから霊感がある位にしか思ってなかったんです」
「ハッキリせんなぁ…人間なんか死神なんかどっちなんか」
「……死神です。まぁ元ですけど」
「元?なんや元って事は何かして追放されたはみ出し者かなんかやろ。そんならオレらが調べられん筈は無いんやけど」
「極秘に処理されましたからね…色々調べているなら知りませんか?二年前の護廷十三隊に起こった事件…」
「事件?二年前……―――!!!」
顎に手を当てて考えていた真子は思い出した表情をとると、みるみる顔が険しくなっていく
「お前…零番隊の関係者か!?」
「関係者では無く当事者……元零番隊隊長 ハルカサラです」
私は少し悲しそうに笑った
「隊長!?やからひよ里の攻撃も簡単に止めたっちゅう訳か…詳しい事はよう知らんけどあの事件は皆死んだんとちゃうかったか?何が――」
「あの時何があったのか…虚化の実験です」
「な…んや…と?」
私は話した。全てが藍染によってもたらされ、その策略にはまり追放になった事を…
「幸いにも私に虚が寄生する事は無かったし追放されても力まで剥奪される事はありませんでしたからそう言った意味では幸せ者でしょうか...」
「アホか…何が幸せ者やねん!!藍染のせいでお前の人生狂わされたんやぞ!?独りで闘って誰からも信用されずに!!もう戻れへん…どう足掻いてもな」
拳を握りしめ苦虫を潰した様な表情をする真子が、私には真子自身に向けた言葉に聞こえた