第19章 ~拾~EIGHT
「お久しぶりっす。いやぁ腕は鈍ってないみたいっすね。安心しました」
「なんだぁ?えらくまともな事、言うじゃねぇか」
「そりゃぁ霊圧萎んでてアタシのせいにされちゃ堪んないんで~」
扇子を取り出し喜助はいつもの口調に戻る
「あーそうかい。心配すんな。別に萎んでてもお前のせいにはしねぇよ。それも含めてオレの実力だ」
「どうっすか?20年ぶりの死神は…心は晴れましたか?」
「まぁまぁだ。もともと言うほど恨んじゃいねんだよ。オレはこの20年の間で欠片も晴れねぇほど恨んでる事があるとすればそいつはあの夜、真咲を救えなかったオレの無力だけだ」
「変わんないっすねそういうとこ…息子さんとそっくりだ」
「に、似てねぇよ//」
ふと笑みを零す喜助に一心は必死で否定した
「じゃ、そういうことにしておきます。息子さんといえば気づいてます?」
「あぁ…お前さんの読みどおり接触してきたみたいだな【仮面の軍勢】ヴァイザードだ
禁術を使って虚の力を手にしようとした元死神の無法集団。所在も思想も一切不明…やっかいだぜ
一つだけ分かってるのはヴァイザードとアランカルが組んでるわけじゃねぇって事位か」
「でもこっちの味方って訳でも無いですからねぇ…ヴァイザードは死神の事も嫌ってますから。けど今回息子さんに接触してきたと言う事は…」
「あぁ…連中も何らかの戦いの準備をしてるって事だ。オレ達と同様にな。連中も感ずいてるんだろうぜ。アランカルどもの急激な変化にな」