第19章 ~拾~EIGHT
「サラさん!?」
《聞こえんかったか?儂は捨てろと言ったのだが…》
「安心して。貴方相手に使わないから…これで充分」
私が笑って片手を挙げるとグランドフィッシャーは怒りに震える
《挑発しよって…さっさと殺してお前も殺そう!!死神の姿になるのを待ってゆるりと追い回しておったがもう飽いたわ!!》
コンを掴んだままグランドフィッシャーは上空から急降下し、そのままコンを地面へ押しつぶした
だがグランドフィッシャーの手中にはコンの姿は無くサラの腕の中にいた
《小娘…一体どうやった!?どうやって儂から抜き出したというのだ!!》
「特に何も?ただ引っ張っただけだけど」
淡々と答える私にグランドフィッシャーは妖しく笑うと霊圧を上げた
《よかろう…先にお前を殺そう!!クロサキイチゴ…其処で女が死ぬのを見ておれ!!!!》
(やべぇ…足が動かねぇ…)
「コン…大丈夫よ」
私は怯えて動けないコンに笑い掛ける
そしてコンが動けないのを確認したグランドフィッシャーは私に襲いかかってきた
私がそれに反応しようとした時、何かが私とグランドフィッシャーの間に投げ込まれ辺りに眩い光が広がった
グランドフィッシャーの動きは一瞬封じられ私の前に死神が現れる
「やれやれ…だから言ったそれはいつでもずっと持ち歩いてろよって」
投げ込まれたのはお守り。私は見覚えのある後ろ姿に思わず呟いた
「一心さん…」
死覇装姿の黒崎一心。腕には隊長羽織のような白い布が結んである
「虚さんよ、悪いが今ちょっと一護は留守でね。代わりと言っちゃぁなんだが俺と遊んでいかねぇか?」
《なんだお前は?》
「あぁ悪い悪い。自己紹介がまだだったか。俺は黒崎一心だ」
一心はサラの頭を撫でるとグランドフィッシャーの前に立ちはだかった