第19章 ~拾~EIGHT
一護は突如斬りかかって来た平子の刀を斬月で防ぐ
刀と刀が激突すると、その衝撃で車谷は吹き飛ばされていった
「テメェは…平子!?そいつは斬魄刀か!?何者だテメェ!!」
「しぃ…あまし騒ぎなや 黒崎一護。お前みたいな霊圧の奴がそない簡単にザワついたらあかん。世界に響いて感づかれるで?」
平子は指を立てて口に当るとニヤリと笑った
「感づかれる?誰にだ!?」
「誰にやと?そこまで言わな解れへんのんかい!?ボケが!!」
「平子...何モンだお前!?」
「見てみぃ。言わんこっちゃない…オンドレが霊圧ガタガタさしよるからやど……ほれよぅ見ぃ。これ何~んや?」
そう問いかける平子の顔には割れた虚の仮面が現れる
「―――!!!虚の…仮面!?」
「せや。斬魄刀に虚の仮面…もう解るやろ?オレは死神から虚の領域に足を踏み入れた者
言うたやろ?《仲良ぅしてや》って。オレは【仮面の軍勢】ヴァイザード…お前の同類や。オレらんトコへ来い一護…お前はそっち側におるべき人間やない」
いきなり現れ仲間に誘う平子に一護は思考がついていけない。そんな時、一護は異常な霊圧を感じとる
「なっ…何なんだこの霊圧は!?」
「おいおいおい…今頃気ぃついてんのか?ん?あぁー!!待てコラどこ行くねん一護ぉ!まだ話の途中やぞ―――」
平子が考え耽っている隙に一護は踵を返しその場から離れていく
「断る!」
「まだや言うてるやろ!!」
思いっきり怒鳴った平子に一護は足を止める
「いいんだよ!話の内容なんか。オメェらの言う【仮面の軍勢】ってのがどんな組織だろうがオレはオメエらの同類になる気なんてねぇんだからよ!…オレは死神だ。オメェらの仲間じゃねぇ!!」
一護は思いの丈をぶちまけると平子の元を去っていった
「はぁ…ほんま難儀なやっちゃなぁ」
呆れたようにため息をついた平子は携帯を取り出すと電話をかけ始める
「もしもしぃ。平子やけど猿柿さんの携帯ですかぁ?すんません失敗してしもうた―――」
その瞬間、相手からの怒鳴り声なのか携帯から耳を離した
「しゃぁないやろιやいやい言うなやもぅ…どうせ時間の問題や。気長に行こう…」
電話を切った平子はニヤリとほくそ笑んだ